どこの国でも貧富の差はあります。皆さんご存知のように、ここタイでも無茶苦茶富める人から、戦後すぐのようなバラック住まいの貧しい人まで、その格差はすごく大きいですよね。
高級外車に乗り、ショッピングモールでブランド品を買う人たちがいる一方で、一生かけてもそんな事は出来ない人たちが大勢います。
そんな格差をPRに使ったとして、非難を浴びているアパレル会社があります。
*世界的に評価を受けるタイのファッション・ブランド
ファッションブランドといえばヨーロッパの会社のイメージが大きいですが、タイのブランドで外国でも人気がある物が色々あります。
ヒルトン姉妹やレディ・ガガアメリカのセレブに愛用されている「ストレシス(SISTRERSの逆読み)」、OLに人気の「ガスパル」、レトロな世界観を表現する「KLOSET」などが各国に進出しているのです。
「Boyy」というブランドもその1つです。ハンドバッグが主流商品ですが、先日、新しい製品のキャンペーンに使ったインスタグラムの動画が物議を醸しています。
それは4万2,000バーツ(約14万7,000円)という高級バッグを、バイクタクシーの後部座席やフルーツ移動売りのガラスケース、トゥクトゥクの座席などに置いている動画です。バッグと一緒に写されているこれらの物は、正に貧しい階級の生活の一部です。こんな高級バッグとは縁のない。
*貧困にロマンチックな要素は何もない
貧困層の生活の現場を、まるで異世界のようにロマンチックめいた物にしているこの動画へ、ソーシャルメディアで批判が高まっています。
「貧困はリッチな人々のアクセサリーではありません。貧困は社会問題なんです。貧困をロマンチックに見せかけるのは止めてください。誰も貧しくありたいとは願っていません」とインスタグラマーのピーチジさんは書いています。
「タイに住んでいるのは富裕層だけではない。数万バーツもするバッグを、最低賃金で働く人々の前に置いて動画を撮るなんて最悪だ」とやはりインスタグラマーのナットさんは呆れています。
これらの批判に対して、「Boyy」側は「私たちにはそんな意図は全くなく、タイの素晴らしい文化や日々の生活を外国の人たちに伝えたかっただけです」とコメントしています。
ちなみに、クレジット・スイス社の調査による2018年のグローバル・ウエルス・レポートで、タイは最も貧富の格差の大きい国となっています。
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