近年、タイを悩ましているのがPM2.5など大気汚染の問題。それへの対策としてタイ政府はすごい目標を掲げてきました。
*電気自動車以外の販売をゼロに
2035年までに排気ガスを出さない電気自動車のみの販売を目指すというのです。現在、タイを走る車の中で電気自動車は1%以下という低水準。そんな中、エネルギー省へのアドバイスをする委員会がこの目標を提案し政府が受け入れたのです。
委員会は「世界は排気ガスゼロを目指す方に向かっている。タイは既存の自動車のサプライチェーンがすでに出来上がっており、電気自動車のマーケットをリード出来る素地がある」とこの目標の意義について説明しています。
また最終目標の達成前に、この10年の間で、登録される自動車の50%を電気自動車にするという中間目標も掲げられています。
これらの目標を達成するため、電気自動車に関する法律の整備、製造メーカーや購入者に対するインセンティブを設ける事が急務など委員会は付け加えています。
*タイ経済を支える自動車業界
自動車業界はタイの経済の10%を担っており、85万人もの雇用を産んでいます。またプラスチックや鉄鋼、石油などタイの他の工業も、自動車業界に支えられています。
タイで生産される車の50%は輸出されています。その行く先は東南アジアの周辺国のマレーシアやインドネシア、フィリピンなどが主です。
タイ電気自動車協会の会長は「ガス自動車から電気自動車への自然な移行を待っていたら長い時がかかってしまいます。政府のこういった目標の発表は、投資家の関心を呼ぶ事になり良い結果につながると思います」と述べています。
ちなみに、コロナ禍でガス自動車の販売が2020年は26%も下がる中、電気自動車は同時期に1.6%販売を上昇させました。
*電気トゥクトゥクがバンコクの街中を走る
あまりポピュラーではありませが、排気ガスを出さない電気トゥクトゥクを使ったシェアライドのサービスもバンコクで行われています。
Muvmiという会社やスクンビットのソイ3~51やサムヤーン~サイアム、パホヨーティン~ラップラオなど市内数か所で電気トゥクトゥクを走らせ、専用アプリで予約した乗客を途中で乗り降りさせています。料金は距離に応じて10バーツ(約35円)からです。
現在、Muvmi社では100台以上の電気トゥクトゥクを所有していて、年間33万6、000リッターものガソリンが使われずに済む計算になるそうです。当然、その分、排気ガスもなし。
タイの電気自動車の未来、どう進むのでしょうか?
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