ご存知のようにタイではニューハーフなどLGBTの人々がすごく多いですよね。その理由については、「仏教国ならではの他者を受け入れる精神があるため」や「昔から女系社会だったから」など諸説あります。どれが正解なのかは置いておいて、ニューハーフの人たちに日常的に出会う機会が良くあります。中には「女性よりも綺麗なのでは?」と思わせる人も・・・。
そんなタイ社会ならではの「イベント」が毎年あります。それは、徴兵のためのくじ引き大会。多くの地元マスコミがくじ引き会場に集まり、「今年の目玉!」のニューハーフ美女を探しています。彼女たちは会場でメディカルチェックを受ける事でくじ引きを免除されます。
*美女が「ニューハーフも軍隊に入るべき!」
今年、タイ北部のピサヌローク県で行われたくじ引き大会で、注目を浴びたのが美しいニューハーフの1人であるナリットサラ・オウンワーンさん=通称ルックメンさんでした。スコータイ大学でドラマ芸術学科を専攻する23歳の学生です。ちなみに、美貌を生かしてタイ北部のミスコンで何回も賞を獲得しているそうです。
「ニューハーフの人々も軍隊に入るべきだわ」とナリットサラさんは地元マスコミのインタビューに答えて言いました。
大学がまだ1年残っているため、今年のくじ引き大会では免責を申請しているナリットサラさんですが、気持ちとしては軍隊で働きたいと思っていると言うのです。
「ニューハーフの兵隊はだってどんな仕事もこなせるわ。だって女性兵士だっているんだもの、どうして出来ない事があるの?」
*コメントが原因で騒動!
ナリットサラさんのコメントはインターネット社会を中心に騒動になりました。いわゆる、「バズる」という現象でしょうか?
右派傾向の人々からは、「彼女の発言は愛国心の発露であり、軍隊に入り国のために尽くしたいという気持ちは素晴らしい」と称賛。
一方、急進主義の人たちは逆の意見を持っているようで、政治コメンテーターであり、同じくニューハーフであるトリポップ・リーレースタポーンさんはナリットサラさんを「偽善者」と切り捨てています。
「自分たちが徴兵されないという事を念頭に置いての発言で、とても偽善的だわ。本気なら、男の恰好をしてちゃんとくじ引きをしなさいよ」と歯に衣を着せないストレートなコメントをしています。
タイの若者の多くが徴兵を避けたいと思っているそうで、富裕層や大物政治家の子供は徴兵を避けられるように手を回しているという噂もあります。そして、軍隊ではイジメが横行し、それによる死者も出ています。去年だけで6人の徴兵が謎の死を遂げているそうです・・・。
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