今、自分の尿を飲んだり、それで顔を洗うことがタイでブームになっています。

ことの起こりは、イサーン（タイ東北部）のコンケーン県にある学校で、ある教師が尿にハーブを混ぜたものを生徒に「胃の痛みに効く」と教え、それをフェイスブックにアップしたことから。

また中部のラチャブリー県に住む女性も、定期的に尿を飲み、それで目を洗い、傷口に塗ったりしているとフェイスブックに投稿。

加えて、ある看護婦が尿を蒸留させ、それを患者の傷口に塗布しているとも投稿。

その後、TV局も尿健康法を実践している人々にインタビューする番組を放送してブームに火が点きました。

この突然のブームに対し、タイの保健省の関係者は「尿を含めた体の廃液は飲んだり、顔を洗う物ではありません、危険です」と警告。

「昔、ギリシャやローマ時代に確かに尿は薬として用いられてきました。しかし、それは清潔な水が手に入りかった時代だったからです。現代のいかなる医療研究も飲尿の科学的効能は証明していません」

また、元タイ腎臓協会の会長も「飲尿を薦める動きは止めるべきである。もしそれによってメリットがあるとすれば、少しの量のミネラルを摂取できるだけ。一方で、化学物質など有害な物が含まれている」とネットで述べています。

世界各地に飲尿健康法の習慣があって、日本でも、１９９０年代前半、ヨットレースで遭難し尿を飲んで生き延びた人がニュースになったり、『奇跡が起きる尿療法』（中尾良一著）がベストセラーになったりしているようです。