
天国のようなタイでの生活を夢見るシニアの人たちのために設けられたリタイアメント・ビザ。50歳以上で、80万バーツ(約291万円)以上の預金残高か毎月6万5千バーツ(約23万6千円)以上の年金を貰っているという証明があれば取得ができます。
そのリタイアメント・ビザに必要な預金の海外送金に関して、かつて東京のベッドタウンとして栄えたK県A市にある郵便局のゆうちょ銀行でKさんに起きたトラブルの続きです・・・。
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「最近、マネーロンダリングが増えていて、それを防ぐため、当局の監視が厳しくなっているんです。送金の目的がしっかりと証明されないと却下されます」
「え、マネーロンダリングって、何十年もゆうちょ銀行さんに預けておいたお金ですよ?」
「申し訳ございません」
Kさんは、スタッフの上司と面談したいと言い、20分ほど待たされました。
「お待たせをしてすいません、今まで、こういう例がなかったので。こちらもタイのリタイアメント・ビザについてインターネットで調べさせていただきました。このタイの観光局のページによると、日本での残高証明でもOKということになっていますが、どうしてタイへの送金が必要なんでしょうか?」
「え?」
ゆうちょ銀行の上司という人物のプリントアウトには、確かに、「タイ国内銀行発行預金残高証明書または日本の銀行の残高証明書:最新月のもので預金残高が800,000バーツ(約240万円)以上あることが確認できるもの。」と書いてあります。
「これ、日本で申請する場合ですよ」
「じゃあ、何故、日本で申請しないんですか?」
もう、これでは埒が明かない、と思ったKさんは東京のバンコク銀行を当たってみることにしました。
インターネットで電話番号を調べ、電話をかけて事情を説明した所、何の問題もないということ。ただ、送金に当たってバンコク銀行でID登録が必要ということでした。
「お手数をかけました、東京のバンコク銀行さんで送金をすることにしました」
「バンコク銀行さんは、今回の送金が大丈夫だと言っているのですか?」
「はい、事情を説明したらOKだと」
「でも、変ですね、日本の金融機関は海外送金に関して一律な対応をしているんですが・・・」
(「ひどいだろ!」と今回の話を私にしているKさん。「自分たちの無知を棚にあげて、皮肉を言うんだよ!今まで経験がないって言うけど、A市って人口22万人のそこそこの大きさだよ。そこの本局なのに!」)
Kさんはゆうちょ銀行に暇を告げ、電車に乗って1時間半かけて、バンコク銀行へ直行。窓口の人たちの対応は優しく丁寧で、すんなり時間もかからずに手続きは済みました。
「郵便局って、ついこの間、かんぽ生命の不正販売問題もあったでしょ。もう、信頼できないよね。預金全部解約して、他に移そうと思っている」
タイへの送金については、それに慣れているバンコク銀行を使うのが賢明なようです。



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